デジタルで仕事はもっと進化できる


 私たちの業界で、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉が、AI(人工知能)と同じくらい、それ以上によく出てきます。DXがまだ流行していると言ってもいいかもしれません。DXとは、デジタル技術を使って仕事をもっと便利にしたり、新しい価値を生み出したりすることです。たとえば、会議をオンラインで行うだけでもDXと言えます。

 私たちのDXの解釈は、何か新しいことを始めるのではなく、今ある仕事をもっと便利に、もっと簡単にすることだと思っています。私たちが提供するDXは、仕事のデジタル化です。

 今回は、私たちが実際にお客さまの仕事をDXした話です。皆さまの仕事に役立つかを具体的にご紹介します。今の時代にあったパソコンの使い方を、イメージしながら読んでいただけると嬉しいです。

 お客さまの悩みは、見積書の管理にありました。各営業社員がそれぞれの方法でExcelを使って見積書を作成し、個別に保管していたため、会社全体の見積書の状況が把握できませんでした。また、仕入れの状況や見積額など重要な数字も、確認するには計算が必要でした。さらに、社長や上司が見積書を確認したいときに、すぐに見積書を閲覧できないという問題も抱えていました。

 このお悩みを解決するためには、ChromeやEdgeなどのブラウザを使ってインターネット上で見積書の作成、共有、PDF印刷をできるようにすることです。いつでもどこでもアクセスでき、社長や上司が見たいタイミングで見積書を簡単に確認できるようになります。お客さまも、このようなシステムを導入したいと考えていました。既存にあるシステムを比較して、慎重に選んでいました。

 システムを導入する難しさは、使いこなすために時間がかかることだと思います。既存のシステムに共通しているのは、何でもできるシステムになっていることです。見積書管理以外にも受注管理や在庫管理など、多くの機能を持っています。一方で、ボタンが多すぎる、どこに何があるのか分からない、見積書を作成したいが、何をすればいいのか分からないという声をよく聞きます。システムを使うのに勉強が必要です。

 私たちのシステムは、すぐに使えるシンプルな作りを大切にしています。この”シンプル”というのが、かなり大事です。今回は、営業職の人が見積書の管理をストレスなくできるように考えました。システムを勉強する時間は、営業職の仕事の負担を増やしてしまいます。使う人と使わない人が出てきて、結果的にシステムを止めてしまうかもしれません。現場の人々のパフォーマンスをあげるために、システムはあるべきです。


 システム上のメニューや項目名は、会社で一般的に使われている言葉を使用しました。たとえば、お客さまは取引先を「メーカー」と「ユーザー」を独自なルールで区別していたため、そのままシステムでも使えるようにしました。このような暗黙の了解がシステムでも通用するように、直感的に操作できるように、業務に合わせてシステムを作りました。

 また、このシステムでは見積書の管理と取引先の管理のみを提供します。現場の人々がデータを共有し、いつでも見れる、どこでも使えるという体験を通じて、システムを自分のものしていただきたいです。あとから、日報管理や経費管理などの機能を追加していく計画にしました。すべて私たちがシステムを開発するので、柔軟に対応できます。

 システムはお客さまが契約しているサーバーに導入することができます。自社の契約したサーバーなので、データがどこに保管されているのかが把握できます。意外と安心感があります。また、データのExcel出力も簡単に行えます。


 多機能なシステムは、私たち開発者やシステム会社の技術自慢に過ぎないと感じることがあります。私たちは使う人に寄り添ったシステムを開発したいと考えています。会社のデジタル化を、見えるところから徐々に進めていきましょう。現在のシステムやデータ管理方法に疑問を感じている方、改善したいが方法が分からない方、ぜひお話を聞かせてください。私たち開発者の目線からアドバイスいたします。皆さまに新たなアイデアやひらめきが生まれたとき、それが、”DX”のはじまりです。 (文責:中島創太)


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