2025年1月10日から、昭和43年生まれの元気な社長に向けて、全6回のマイツール講座を始めることになりました。授業は毎週金曜日、午後3時から2時間半の予定です。
今の時代にあえてマイツールを学ぼうとするのは珍しいことです。まさに数奇者といえるでしょう。その社長は現在、マネジメントゲーム(MG)を勉強中とのこと。「マイツールを学びたい」という気持ち、私にはよくわかります。なぜなら、私自身も同じ道を歩み、今でも毎日マイツールを使い続けているからです。
正直なところ、もうマイツールを誰かに教える機会はないだろうと思っていました。しかし、今回のオファーをいただいたとき、「これもマイツールの縁」と感じ、私の知っていることをお伝えすることにしました。
さて、そもそも「マイツール」とは何でしょうか。マネジメントゲームの開発者である西順一郎先生は、マイツールを「ワープロ感覚のデータベース言語」と表現しています。マイツールは、金儲けのために日本人が開発したソフトウェアです。
1984年、私が大学2年生だったころ、マイツールはコピー機メーカーのリコーから発売されました。その頃、私は週刊プレイボーイの記事で「アメリカでマッキントッシュというパソコンが登場した」というニュースを読んだことを、今でも鮮明に覚えています。
マイツールを知らない人からは、「エクセルとどう違うの?」とよく聞かれます。エクセルが表形式のソフトであるのに対して、マイツールは『1行1データ』という形で情報を扱います。このデータを、コマンドという簡単な命令を使ってソート(並べ替え)、サーチ(検索)、クロス集計(二次元集計)することができます。
当時、コンピュータは専門家だけが使えるものでした。しかし、マイツールはコマンドだけで操作ができるため、プログラミングの知識がなくても一般の人が自分でコンピュータを使えるようになったのです。コマンドという仕組みは、素人でもコンピュータを自在に扱えるようにした、まさに最大の発明といえるでしょう。
私が特に好きな言葉があります。それは、西先生が言った「コンピュータを長靴を履いている人が使わせたい」という言葉です。マイツールは、まさに現場の仕事の道具として作られたソフトウェアなのです。そのため、コマンド入力時に表示される「仕事は=」というメッセージには、開発者の深い思いが込められているに違いありません。
次回は、「大学ノートとファイルの違い」についてお届けします。
【編集後記】
さすがに当時の週刊プレイボーイの表紙が誰だったかは思い出せないが、ネットで検索してみると、「1984年1月24日号」にマッキントッシュの特集記事があったことがわかった。バックナンバーをネットで購入することもできそうだけれど、そこは毎日通っている神保町で、古本屋さんを巡りながら宝探しをしてみたいと思う。やさしくデジタル(マヒマヒ)