はじめる前に
20週間かけて「マイツール」の勉強をするにあたっては、スタート前にそれなりの心構えを持っておく必要があります。「はじめに」でもお伝えしたように、マイツールの奥は非常に深く、どこまで進んでも到達点が見えません。ですから、20週が終わったからといって「これで良し」となるわけではありません。
むしろ、20週目あたりになると、マイツールの面白さや奥深さに触れて、「もっと先に進んでみたい」と感じる方が多いことでしょう。
より具体的に申し上げると、このコラムの目的は、マイツールの“イロハ”をお伝えすることにあります。ですから、すべてを読み終えたとしても、マイツールを使う上でようやく「入り口に立った」段階だと考えてください。
私の願いは、このコラムを足がかりに、もっともっとマイツールに親しみ、やがては「マイツールを使う喜び」に触れていただくことです。
仕事とのかかわり合い
マイツールに限らず、仕事で使う道具は「使い方を体で覚える」ことが何よりも大切です。実際に自分で使ってみて、その積み重ねの中で、少しずつ「気づき」が生まれてきます。それを何度も繰り返すことで、自然と上達していきます。
どんな道具でも、5年・10年の経験ではまだまだ駆け出しです。20年・30年を経て、ようやく一人前の顔ができるようになるものです。ですから、「たった20週間」でマイツールがわかったなどと思ってはいけません。
むしろ、「マイツールを使う」ことを一時の腰掛けではなく、「一生付き合っていく道具」と考えていただけるとうれしいです。
「一生使う」と聞くと、少し大げさに感じるかもしれませんが、マイツールには、それくらい続けたくなる面白さがあります。気づけば、1年、2年なんてあっという間です。
マイツールは仕事と深く関わっているため、自然と業務改善や効率化に意識が向くようになります。
「業務改善なんて自分には向かない」と思っている方でも、3年ほどマイツールを使い続けてみてください。段取りやコツが自然と身につき、仕事への理解もぐっと深まります。
私自身、25歳でマイツールを始めたころは、仕事のことなどまったくわかっていませんでした。
ですから、「一生使う」とまではいかなくても、せめて10年はマイツールと付き合う覚悟を持っていただきたいと思います。気合を入れて取り組めば、きっと見える世界が変わってきます。
自分を見失わない
ここでしっかり胸に刻んでいただきたいのは、「なぜマイツールを使うのか」という原点です。
あなたがこのコラムを読み始めたのは、「マイツールを使ってみようか」という気持ちが芽生えていたからだと思います。そして今では、少なくとも10年は続けてみよう、と考え始めているかもしれません。
その決意は、他の誰かに言われたからではなく、あなた自身の判断によるものだったはずです。
たとえば――
- 西順一郎先生のMG(マネジメントゲーム)研修に参加したことがある
- MGを何度か受けるうちに、マイツールを使わないといけない気がしてきた
- 会社で「マイツールを使え」と言われた
- エクセルが苦手で、別の道具を探していた
いずれにせよ、大切なのは「自分のために使おう」と思ったことです。マイツールは、社長のためでも、上司のためでも、同僚のためでもありません。あなた自身のために使う道具なのです。
この「自分のために」という原点を、ぜひ忘れずにいてください。
「自分の表」を作るということ
これからの20週では、常に「自分のために使う」という姿勢を大切にしてください。
そして、今すぐできる心構えとして、「自分の表をマイツールで作る」という意識を持ってみてください。まだマイツールに触ったことがない方にとっては、少し難しく感じるかもしれませんが、大丈夫です。「表の作り方」はこの連載で丁寧にお伝えしていきます。
今週の目標は、たったひとつ。
「自分のために」
「自分の表を作る」
この2つを、どうか心にしっかりと刻んでおいてください。
(マヒマヒ)