コマンドとは“言葉”である
マイツールは、コマンドを使いながら操作します。コマンドは、わたしたちとマイツールの間で交わされる“言葉”です。マイツールと会話しながらデータを欲しい情報に加工し、その先の意思決定につなげていきます。最終的に意思決定をするのは、わたしたち人間です。
ここまでの間に、いくつかのコマンドを覚えてきたと思います。コマンドのリズムや法則も、なんとなくつかめてきたのではないでしょうか。わたしの経験から言うと、だいたい「やりたいこと」「考えていること」は、マイツールのコマンドに用意されています。マイツールは、先達たちの仕事の智恵の集大成です。マイツールを使うということは、(つ)よい仕事をすることでもあります。
一文字コマンドとは何か
今週は、マイツールのコマンドの中でも「一文字コマンド」を研究します。一文字コマンドには、一文字だけで伝わる“意味”があります。つまり、それだけよく使うコマンドだということです。
それでは、アルファベット順に見ていきましょう。
「A」オール(All)
「A」はコマンドではありませんが、よく使います。Allの“A”、つまり「すべて」という意味で、★条件指定文字です。
例:項目行だけ残してすべてのデータを消したいとき
DLドンAドン
「B」ブランク(Blank)
「B」もよく使います。Blankの“B”で、★条件指定文字です。
例:どこでもいいから空いているページに保存したいとき
WドンBドン
「C」計算(Calculation)
「C」はCalculationの“C”。計算のコマンドですが、省略できます。
いきなり「仕事は=」で、C1+C2=C3のように入力できます。
「D」ディスプレイ(Display)
「D」はDisplayの“D”です。画面の先頭を表示します(F11と同じ)。
「E」エントリー(Entry)
「E」はEntryの“E”。データ入力です(西先生の幼稚園の5語)。
縦に入力:EC
横に入力:EL
指定範囲に入力:ER
を合わせて覚えたい。
「F」フォーマット(Format)
「F」はFormatの“F”。新しい表を作ります(西先生の幼稚園の5語)。
マイツールはFドンから始まります。Fドン=業務改善。
一番最初のマイツール教室を思い出してください。
Tips
-
白紙のページを作る
-
Fドン「ESC」(エスケープ)
「G」グラフ(Graph)
「G」はGraphの“G”。データをグラフにします。一文字コマンドです。
マイツールのグラフはエクセル等と違い、いい意味でデザイン的にも優れています。
わたしはプレゼンなどの資料を作るときは、あえてグラフはマイツールで作ります。
画面キャプチャーするときは、SETDで画面背景色を「白」にしてからグラフを表示するのがおすすめです。
「H」ヘッド(Head)
「H」もコマンドではありませんが、よく使う★条件指定文字です。
先頭の行(列)を指定します。
例:先頭から最終行までの合計
LH+LT=/L1000
「I」「J」は一文字コマンドではありません。
「K」罫線(Keisen)
「K」はKeisen(罫線)の“K”。コマンドではなく、★条件指定文字。
例:横線を全部消したいとき
DLドンKドン
「M」マージ(Merge)
「M」はMergeの“M”。S命令で並べ替えたデータ同士を併合するコマンド。
(私は使ったことがありません。)
「N」ノット(Not)
「N」はNotの“N”。コマンドではなく、★条件指定文字。
指定した行や列から一部を除外できます。
例:先頭行から最終行までを足すが、1~3列は除外
LH+LT=/L1000,N1-3
「O」はありません。
「P」プリント(Print)
「P」はPrintの“P”。印刷コマンドです(西先生の幼稚園の5語)。
マイツールは、Windowsの既定のプリンタに印刷します。
用紙範囲の設定や、縮小・拡大などはPLコマンド、スケジュール印刷はPE、同じページを何枚も印刷はPDなど。
プリンタをPDF出力に設定することもできます。
マイツールは、印刷一つにしても智恵が沢山あります。
「Q」はありません。
「R」リード(Read)
「R」はReadの“R”。指定ページの読み出しです(西先生の幼稚園の5語)。
WFLで保存したファイルもRドン「ファイル名」ドンで読み出せます。
「S」ソート(Sort)
「S」はSortの“S”。データを並べ替えるコマンドです。
マイツールで最も重要なコマンドのひとつ。
(詳細は第20週で解説予定。)
「T」タイトル(Title)
「T」はTitleの“T”。タイトル一覧の表示です。
また、★条件指定文字でもあり、最終行や列も“T”で表します。テイル(Tail)
鉄則
先頭行から最終行の一つ前まで合計し、最終行に合計を出す
LH+L(T-1)=/LT
データが何行あっても計算式はこれ一つでOK

先頭行(西さん)から最終行の一つ前(野口さん)まで全部足し算して、最終行(22行目)に合計を出す。ただし、1列から4列めまでは、合計しなくてよい。
「U」「V」はありません。
「W」ライト(Write)
「W」はWriteの“W”。指定ページに内容を書き込みます(西先生の幼稚園の5語)。
サブページはドン1回、それ以外はドンドン2回。タイトルが表示されたら「このページは消えますよ」のサインです。上書きには十分ご注意ください。何度か痛い目に遭います。
「X」エックスチェンジ(Exchange)
「X」はExchangeの“X”。表画面と裏画面を入れ替えます。
(どちらが表か分からなくなることも…画面左上の数字を確認しましょう。)
「Y」「Z」はありません。
まとめ
いかがでしたか?
マイツールの一文字コマンドは、使えば使うほど面白さが増していきます。一文字コマンドに割り当てられていない英字もまだあります。みなさん自身のオリジナルコマンドを考えてみるのも良いでしょう。コマンドはマイツールと対話する“言葉”であり、先達たちの仕事の智恵そのものです。
(マヒマヒ)