第15週 CMDで自分専用コマンドを作る


マイツール20週。ここまでいかがでしょうか。ここまで名簿やスケジュールを使ってマイツールの基本操作を身につけていただくことが、わたしの狙いです。引き続き、もう少しお付き合いいただけるとうれしいです。

今週は、マイツールの「三大コマンド」の最後――「オート」に行く前に、

三大コマンドとは、西順一郎先生が命名した「サーチ」「ソート」「オート」です。

サーチは前半の「名簿編」でしっかりやりました。よく使うので、もう慣れたでしょうか。

ソートは、まさに今、スケジュール管理のエンジンとして活躍中です。
※西先生は、名簿の人物検索にもサーチよりソートを使います。マイツールの本質は“サーチ<ソート”です。仕事に合わせて、両方使い分けてみてください。

そして、今回の主役は「オート」です。

オートは、まさに“コンピュータらしさ”そのもの。
いわば「プログラム」。複数のコマンドを一度の操作でまとめて実行するための機能です。

オートが活躍する場面

オートを使った方が良い作業、そうでない作業があります。
たとえば、スケジュールに新しい予定を入力したり日付を修正したりしたあと、「日付」と「曜日」で並べ替え(ソート)する場合。
この「ソート」コマンド、通常は5回も6回も“ドン”しなければなりません。同じ操作を何度も繰り返すのは面倒ですし、間違いのもと。

でも、オートプログラムを使えば、たった“一回のドン”で全て実行できます。
しかも、「曜日をアップデートして、日付順に並べ替えて、日付ごとに横罫線を引く」――これらも一発で処理できる。
これこそコンピュータの真骨頂。「オート」を使わない手はありません!

オートプログラムの3つの方法

  1. 画面オート
    オートプログラムを画面上に直接書いて実行する方法。短い処理や手軽な操作に最適です。
  2. CMD登録でオート
    オートプログラムをCMDに登録し、自作コマンドとして実行。短い定型処理に便利です。
  3. ページオート(本格オート)
    EDドンでプログラムをページに書き、RUNドンで実行。大規模な自動処理(システム)も可能です。

今回は、特に「1.画面オート」と「2.CMD」を使ったオートプログラムのやり方を紹介します。

ポイントまとめ

  • オートは「手間の自動化」だけでなく「操作ミスの防止」にも役立つ
  • ・複数コマンドの一括実行で、仕事の効率が大きくアップ!
  • ・短い処理は画面オート/CMD、本格処理はページオートと使い分けよう

この機会に、ぜひ“マイツール流オート”を体感してみてください!

1.画面オート

わたしのスケジュールのタイトルの下、2行目を見てください。
「WFL:ZZ::STOP:」
と書いてあります。

この場所に書き込むには、EDドン(エディタ・コマンド)を使います。

鉄則

プログラムの最後は「STOP:」を付ける
 「:」は“ドン”の意味です。

この例は、WFLドンZZドンドン をそのまま文字列にして記述したものです。これがマイツールのシンプルなプログラムになります。

とても簡単に見えますが、これがマイツール流“プログラミング”の入り口です。

補足

自分が入力したコマンド履歴を確認する
「仕事は=」の状態で RLOG ドン

たとえばエスケープキーを押した履歴は ESC:

どんなコマンドを自分が入力したか、履歴を確認できます

元のスケジュール画面に戻りたい場合は

RV ドンで画面復帰

または、もう一度スケジュールを表示

画面オートの実行

2行目の「WFL:ZZ:STOP:」が“画面オート”です。
このプログラムを実行するには
RUNドン、ドン
(RUNコマンドを2回続けて押す)
と入力します。

この例では、「スケジュールを常にZZ.mypファイルに保存する」プログラムになっています。
毎回 WFLドンファイル名ドン と入力するより、RUNドンドン の方が簡単なので画面オートに登録しています。

また、どこに保存したか一目で分かるという安心感もあります。

「RUNドンドン」は、わたしは一日に何度も使います。
もっと長いプログラムも、この方法でどんどん登録できます。

※「画面オート」は、よく使う作業の自動化に最適です。マイツールの“時短術”として、ぜひ活用してください。

2.オートプログラムをCMDに登録

スケジュールの調整や日付操作、並べ替えは、日々何度も実行します。
毎回手作業でやるのは大変なので、オートプログラムを“CMDコマンド”に登録しておきましょう。

CMD登録のメリット

  • ワンタッチで複雑な処理を実行できる
  • 操作ミスが減り、効率もアップ
  • 最大50個まで自作コマンドを登録可能(登録文字数には上限あり)

例:スケジュールの並べ替え(ソート)をCMD化

通常の手順:

Sドン
並べかえるぺージは「画面」:ドン
1番目のキー列は「終了」:2ドン
並べ方は(1~6):3ドン
2番目のキー列は「終了」:4ドン
並べ方は(1~6):3ドン
3番目のキー列は「終了」:7ドン
並べ方は(1~6):1ドン
4番目のキー列は「終了」:8ドン
並べ方は(1~6):1ドン
5番目のキー列は「終了」:ドン
結果の書き込み先頭ぺージは「印刷・画面」:ドン

このオートプログラムは

S::2:3:4:3:7:1:8:1:::
となります。

これを SS ドン で実行できるように CMDコマンドに登録します。

CMDコマンドの登録手順

1.CMD ドン
2.「何番目に登録しますか(または=登録名,P):」→ ドン
3.「登録名は:」→ SS ドン
4.「内容は:」→ {DL:K:S::2:3:4:3:7:1:8:1:::ACMC::2:::L::曜:} ドン
(※長いコマンドは{}で囲みます)

説明

DL:K: … 全罫線を一括削除
S::… … ソートの実行
ACMC::2::l:: … 日付ごとに横罫線
曜: … 曜日自動更新のコマンド(※後述)

CMDコマンドの応用例
「曜」コマンド(曜日自動入力)
マスタファイルyobi.mypを参照して曜日欄を自動入力
登録例:
UPD::yobi:@WHEN:1:R:2:3::曜2:

「曜2」コマンド(土曜日を水色に)
登録例:
SETP:3:H-T::7::SHU::@曜=土::Y:#:3:::曜3:

「曜3」コマンド(日曜・祝日を赤色に)
登録例:
SHU::@曜=日,祝::Y:#:4:::

鉄則

CMD名は日本語もOK
CMDのコマンド名は日本語でも登録できます。
分かりやすい名前で登録すれば、何をするオートか一目で分かります。

マヒマヒのCMDです

中にはすでに使っていないCMDもあります。

わたしのお気に入りのCMDは、以下の通りです。

  • ¥¥→次のぺージ
  • –→前のぺージ
  • 12,1→1列目に番号を振る
  • DRLL→指定した行数ごとに横罫線を引く(誰かから教えてもらいました)
  • HH→ぺージのどこの列にあってもキーワード検索
  • PP→スケジュールの印刷

まとめ

  • オート+CMD登録で、スケジュール処理が“ワンタッチ”で完了
  • 「曜日自動入力」「並べ替え」「罫線引き」なども複合処理できる
  • CMD登録は「仕事のやり方」が変わる便利ワザ!
    ぜひご自身の業務にも応用してください。

マイツールで“自分仕様のコマンド”を作ることで、あなたの毎日がますます快適&効率的になります!

次週は、オートプログラムを作ります。


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