手書きイラストマップを、スマホの体験に
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紙のパンフレットや地図、体験カード。手わたしで配るものを用意している現場で、こんな声を聞くことがあります。「刷った分しか配れない」「予定が変わっても直せない」「持ち歩くとかさばる」。心当たりのある方も、多いのではないでしょうか。
紙には、手に取ってめくる楽しさがあります。そのよさは残したまま、届け方だけを今の形にできます。アプリを入れてもらわなくても、スマホのブラウザでそのまま開ける案内にする。すると、その場でリンクひとつで渡せて、内容もすぐに直せます。

手で描かれたイラストマップ。気になった場所のピンをタップして、滞在中の体験を選ぶ
紙の配りものに、つきものの悩み
紙のよいところは、たしかにあります。手ざわりがあって、電源も通信もいりません。パラパラめくって選ぶ時間そのものが、楽しい。
いっぽうで、配る側にはいくつかの悩みがついてまわります。刷った枚数しか配れない。増刷にはお金と時間がかかる。開催の直前に内容が変わっても、刷り直しは間に合わない。受け取った人も、何枚もの紙を旅先で持ち歩くのは、すこし面倒です。
こういうとき、紙をまるごとやめてしまうと、あの手に取る楽しさまで消えてしまいます。わたしたちがやりたいのは、そこではありません。
あるリゾートの、滞在を楽しむ案内から
少し前に、リゾートでのウェディングにまつわるお仕事をしました。式やパーティーだけでなく、宿泊や散策まで含めて、家族や友人がその場所での時間を思い思いに過ごす。そんな滞在型の案内です。
デザイナーさんが手で描いた、やわらかいイラストの地図がありました。その上に、体験やお店の情報を重ねて、滞在中の「過ごし方」を見つけられるようにしたい。はじめは、たくさんの体験を1枚ずつカードにして配る案から始まったと聞いています。紙で考えられていた、あの選ぶ楽しさを、スマホの中にできるだけそのまま移すことになりました。

ピンをタップすると、その体験の説明が開く。『クリップノートに追加』で手もとにためられる
いちばん大事にしたのは、「保存して、分かち合える」こと
地図とピンだけなら、よくある案内で終わります。今回いちばん大事にしたのは、そこではありませんでした。気になった体験を自分の予定として手もとに保存して、家族や仲間に見せられること。ここが、地図と同じくらい大切な役目でした。
選んだ過ごし方をまとめたものを「クリップノート」と呼びました。気になったものをクリップしていくと、自分だけの一覧ができます。そのページはリンクにして、いっしょに過ごす人へ送れます。受け取った人は、アプリを入れなくても、開くだけで同じ内容を見られます(書きかえはできない、見るための共有です)。

選んだ過ごし方が、日と時間帯でならぶ。自分だけの滞在の予定ができる

できた予定は、リンクにして家族や仲間へ。受け取った人はアプリなしで開ける
手描きのよさを、邪魔しない
作るうえでいちばん気をつかったのは、デザインを邪魔しないことでした。手で描かれた地図は、その場所に流れる空気まで伝わってくるような、やわらかいものです。
その上に載せる文字や印が、いかにも機械的で強すぎると、せっかくの雰囲気を壊してしまいます。かといって控えすぎると、今度は使いにくい。邪魔をせず、それでいてちゃんと役に立つ。そのちょうどいいところを探すのに、いちばん時間をかけました。
デジタルは便利ですが、主役は人の手仕事のほうです。技術は、その想いをそっと支えるくらいが、ちょうどいい。そう考えながら作りました。
アプリを入れてもらわなくていい
受け取る人は、リンクを開くか、QRコードを読むだけで見られます。アプリを探して入れる手間がいりません。スマホに不慣れな方にも、渡しやすい形です。
配る側も楽になります。刷った枚数の上限がなく、大人数にも同じ案内をそのまま渡せます。内容が変わっても、その場で直せば、次に開いた人には新しい案内が届きます。刷り直しを待たずにすみます。
手でつくったものの、届け方が広がる
今回の仕事は、紙のアイデアを消してデジタルに置きかえることではありませんでした。手でつくられたもののよさを残しながら、届ける方法だけを、すこし今の形にする。それだけのことです。
できあがった案内は、現場でも良い手ごたえだったと聞いています。手で描いたものが、新しい方法で、より多くの人に届く。その広がりが、これからも楽しみです。
わたしたちにも、相談できます
紙のパンフや地図、イベントの案内を、インストールのいらないスマホの体験にしてみたい。そんなときは、お問い合わせから気軽にご相談ください。いま配っている紙を見せていただくところから、いっしょに考えられます。
