売上はレジに、デリバリーの注文は配達サービスの管理画面に、ネットショップはまた別の画面に。全体の調子を知るには、だれかが数字を集めて写すしかない。社内システムの作り方を調べたくなるのは、こんなときではないでしょうか。
その「集めて写す」手間は、毎日ひとつの画面を開けば済む形にできます。直営の飲食店やネットショップも持つ、ある卸の会社で、商売ごとに散らばっていた売上のデータをひとつに集める社内システムをつくりました。仕組みの入れ替えとしては大きな仕事でしたが、一度に作らず、小さく刻んで進めました。
知りたい数字ごとに、開く画面がちがう
レジにも配達サービスにもネットショップにも、記録はきちんと残っています。困るのは、業務ごとに別の場所へ、別の形で残ることです。全体を知ろうとすれば、画面をいくつも開いて、写して、足し合わせるしかありません。その手間の前で、数字を見ること自体があとまわしになっていきます。
このお客さまの会社でも、週に一度の会議はありました。ただ、数字をそろえて見直すところまでは手が回らず、たよりは長年の感覚でした。数字はそれぞれの画面にきちんと残っているのに、経営の場では使われていない。ここがいちばんもったいないところでした。
いちばん大事にしたのは、「毎日ひとつの画面で分かる」こと
つくったのは、店のレジと配達サービスの売上データを毎日取り込んで、ひとつの画面に並べる仕組みです。朝に開けば、きのうまでの調子がグラフで分かります。月ごとの流れも同じ場所で追えるので、数字を写して回す作業がいりません。
画面には、AIが書いたひとことの解説も添えました。数字の表を眺めるだけでなく、どこが良くて、どこに気をつけるかまで読み取れるようにするためです。数字をひとつの画面に集めて経営に活かす形は、経営の見える化レポートというサービスにもまとめています。
自分たちで作るか、外に頼むか
社内システムを自分たちで作るか、外に頼むか。作り方を調べはじめると、まずここで迷います。迷ったら、「続けられるか」で線を引く。わたしたちはそう考えています。
表計算やノーコードの道具で足りる規模なら、自作から始めるのは良い選択です。業務をいちばん知っているのは現場のみなさんで、直したいときにすぐ直せるのは自作の強みです。
いっぽうで、システムは作ったあとのほうが長く続きます。データの受け渡しが少し変わるたびに手を入れ、画面の分かりにくい所を直し、作った人が替わっても回るようにする。この「続ける」が本業の時間を食いはじめたら、外に頼みどきだと考えています。
今回の仕組みは、毎日データを取り込んで動きつづけることが本体です。だから作る所から保守まで、わたしたちがまとめて引き受けました。
毎日つかう現場に、合わせて作る
仕組みそのものより、毎日の入り口づくりに時間をかけました。データの取り込みは、店のスタッフのみなさんが毎日おこないます。パソコンが得意な方ばかりではないので、手順書には画面の絵を入れて、見落としやすいチェック欄のひとつまで書きました。使いはじめの説明も、5分から10分で聞ける短い形にまとめています。
画面に出す言葉にも気を配りました。項目の名前は、会社がふだんの経営で使っている呼び方にそろえ、AIの解説も、画面に届く前に同じ呼び方へ置きかえる仕組みを入れました。呼び方がそろっていると、頭のなかで言葉を訳す手間がなく、数字がすっと入ってきます。
一度に作らず、段階を分けて進める
大きな入れ替えほど、一度に運ぼうとすると危うくなります。今回は、着手のひと区切りから、できた所ごとの納品、データの整備、そして運用保守へと、段を分けて進めました。段を刻むと、途中で気づいたことを次の段に活かせます。
いまは運用保守として、動かしながら手を入れる段に入っています。数字の見え方も言葉の選び方も、使われてはじめて分かることが多いからです。作って終わりにせず、現場の声に合わせて、すこしずつ直していきます。
入れたあとは、週に一度の会議で、この画面を必ず見るようになりました。感覚で話していた場に、おなじ数字がならぶ。こういうものがあること自体がよかった、と聞いています。
わたしたちにも、相談できます
売上や注文の数字が散らばって、集める作業に手を取られているなら、お問い合わせから気軽にご相談ください。自作で進めるか、頼むかを迷っている段階でも大丈夫です。いまの数字の集め方を見せていただくところから、いっしょに考えられます。
