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見積書を、会社で一つのかたちに

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 「見積書のかたちが、営業ひとりひとりでちがう」。そんな会社は、めずらしくありません。同じ会社の見積書なのに、体裁も、番号の付け方も、人によってばらばら。それを社長がぜんぶ目で確かめるのは、なかなか骨の折れる仕事です。

 わたしたちは、この見積書を会社で一つのかたちにそろえる社内システムを、受託でつくりました。見積の作成から、大きな金額の承認、電子での保存、日々の日報まで、ふだんの営業の流れをそのまま一つの画面にまとめた仕組みです。現場の声を聞きながら、少しずつ育ててきました。

見積書が、人によってばらばらだった

 はじまりは、見積書の作り方でした。営業のひとりひとりが、それぞれ自分のやり方で見積書をつくっていました。多くはExcelです。書き方に決まりがないので、同じ会社から出す見積書なのに、見た目も項目もそろっていません。

 困るのは、それを確認する側です。社長は、上がってくる見積書を一つずつ見て、中身を確かめます。かたちがばらばらだと、どこに何が書いてあるかを毎回さがすことになります。数が増えるほど、この確認がじわじわと重くなっていきました。

ちょうど、紙やExcelのままでは残しにくくなっていた

 もう一つ、後押しになったことがあります。見積書や帳簿を電子のデータできちんと残すためのルール(電子帳簿保存法)が変わり、電子での管理をしっかりやりたい、というタイミングでした。

 Excelのファイルをそのまま保存しておくやり方は、このルールが求めるかたちには、なかなか合いません。あとから中身を書きかえられてしまうからです。せっかくなら、はじめから電子できちんと残る仕組みにしたい。見積書のばらつきと、電子で残すこと。この二つが、まとめて解きたい課題でした。

できあいのサービスでは、合わなかった

 はじめ、お客さまは世の中にある見積のサービスを探していたそうです。わざわざ作らなくても、合うものがあればいちばんです。けれど、いくつか見ていくうちに、この会社のやり方には合わないと分かってきました。

 理由は三つあったと聞いています。一つめは、自分たちの見積のやり方に細かく合わせて直せる人が、社内にいなかったこと。二つめは、直すたびに外の会社へ頼むと、そのつど費用がかかること。三つめは、使う人が増えるほど、月々の料金も上がっていくことです。

 そこで、わたしたちに声がかかりました。現場のやり方に、仕組みのほうを合わせたい。決まった型に業務を押しこむのではなく、いまのやり方に沿ってつくる。わたしたちが受託でいちばん大事にしているところです。

見積を、会社で一つのかたちに

 まず、見積書を一つの画面でつくれるようにしました。だれがつくっても、同じかたちの見積書ができあがります。よく使う仕入先は、名前を数文字入れればすぐに選べます。

 現場では、まったくの新規よりも、前の見積書をもとに少し直してつくることのほうが多いものです。そこで、過去の見積書をそのまま複製して、必要なところだけ直せるようにしました。よく使う流れを、いちばん手早くできる形にしています。

見積書の一覧画面。同じかたちの見積書が日付順にならび、状態がひと目で分かる(モックアップ)

見積書が同じかたちでならぶので、社長は一覧のまま中身を確かめられる

大きな見積は、承認をすり抜けない

 金額の大きい見積書は、責任者の承認がないと出せない。この会社の決まりを、そのまま仕組みのなかに入れました。一定の金額を超える見積書は、承認の前は発行できません。承認が下りると、申し込んだ本人にお知らせがとどきます。

 経費の申請も同じ考え方です。合計の金額はシステムが自動で計算し、人が手で書きかえることはできません。手で直せてしまうと、その数字が本当に正しいのか分からなくなるからです。だれが見ても信じられる数字にする。そのための小さな手当てです。

見積書の作成画面。金額の大きい見積には承認が必要だと表示され、複製のボタンが並ぶ(モックアップ)

会社の決まりを画面のなかに埋めておくと、うっかり手順を飛ばすことがなくなる

電子で、きちんと残る

 見積書は、電子のデータ(PDF)できちんと残るようにしました。ルールに合わない形での保存は、そもそもできないようにしています。正しいかたちでしか残せないので、あとから「これは要件を満たしているか」と迷うことがありません。

 残った見積書は、あとからさがせます。だれが、いつ、どんな見積を出したのか。そろったかたちで積み重なっていくので、必要なときにすぐ取り出せます。

使いながら、少しずつ育てる

 作って納めて終わり、ではありませんでした。使い始めてから、現場の「こうだと便利」がたくさん出てきます。一覧に出す件数を増やしたい。検索で探す手がかりを変えたい。複製したときの細かいふるまいを直したい。その一つずつに、順番に手を入れてきました。

日報の一覧画面。日々の報告が同じかたちで積み重なり、予定表とつながっている(モックアップ)

見積のあとに日報や予定表も足していった。ふだんの仕事に合わせて、少しずつ広げられる

 現場の声を聞いて、そのつど直し続けられる。これが、合わせてつくる受託開発の、いちばんの強みだと思っています。できあいのサービスでは、細かいところまで自社に合わせるのは、なかなかむずかしいものです。自分たちの会社のやり方に、仕組みのほうがゆっくり近づいていく。使うほどに、しっくりきます。

まずは、いまの困りごとから

 見積書がばらばら、確認に手がかかる、紙やExcelのままでは電子で残しにくい。どれか一つでも心当たりのある方は、多いのではないでしょうか。大きなシステムを一気に入れ替えなくても、いちばん困っているところから、小さく始められます。

 わたしたちは、いまの現場のやり方に合わせて社内の仕組みをつくり、使いながら一緒に育てていく仕事をしています。手作業の台帳をそのままWebに移したExcelの台帳をWebにした記録や、特定のだれかに頼りきりにしないひとりに頼らない仕組みづくりも、あわせてご覧いただけます。気になることがあれば、お気軽にご相談ください